だからずっと、避けてきたんだ。
面倒くさいことに、巻き込まれないように。
人は、他人に興味を持たずにはいられない。
それが正しいのか間違ってるのか、そんなことはきっと誰にも分からない。
「鮎沢が“ワン”のどこに惚れたのか、みんな気になるんだろうねぇ」
飯田くんは、マットの上に腰を下ろしてから、あたしを見た。
どこに、と言われても。
「別にどこって訳じゃないよ」
「じゃあ全部?」
「そう言うと、急に軽く聞こえるよね」
「ははっ、そーかな」
飯田くんは、つかめない。
緩い話し方だけど、頭の中は何を考えているのか。
「飯田くんは?」
「え?」
「いるんでしょ?」
「いるって…」
「彼女」
なんとなく、直感的にそう思った。

