「極道血筋は、母親の方だから」

「えぇ?!そーなの!?」

「じゃあ鮎沢パパは、極道の娘を嫁にもらったってこと?」

「そんな感じ。あたしもよく知らないし」

「なーんだ、そうだったんだ。(妙に納得)」

「そうだよね、うんうん。(少なからず、ヘタレっぽかったし)」

「なんか少しだけ、鮎沢ちゃんの背景が見えた気がする」

「いや、あたしそんな謎めいてないから」

「まぁアイツは、そんなの気にしないだろうしな」

「純平の言う通り!愛されてるわね、鮎沢ちゃん!」

「………」



なにはともあれ、今年の文化祭も無事に幕を閉じた。



ドタバタと騒がしくて。



ギャーギャーとうるさくて。



そんな世界で過ごした1年間は、今までとはまるで違っていて。



あっという間なんだ。



君と出会ってから、あたしの時間はあっという間だ。