人込みを掻き分けて。 廊下を走って。 階段を駆け上がって。 それから走って走って走って。 重たい扉を開けると、 「……はぁっ」 いた。 そこにいた。 秋というにはまだ暑いけど。 大きな青空が広がる、涼しい風の吹く屋上。 彼女の長い髪の毛が、静かに揺れていた。 「稀衣ちゃん」