誰が誰を好きだから、誰かを好きになったり、嫌いになる訳じゃない。
そんなこと、小学生でも知ってること。
「純平、麗奈が呼んでるぞ」
このタイミングで、顔を覗かせたのは竜だった。
「あーはいはい。今行きますよっと」
純ちゃんは立ち上がり、竜と一緒に保健室を出ていった。
「……ん…」
あ、ドアの音で起きたかな?
オレはそっとカーテンの奥を、のぞいて見た。
「大丈夫?」
「あたし…?」
「着いた途端、倒れたんだよ」
オレがそう言うと、彼女は「そっか」とだけ言った。
まだ具合が悪いのか、なんだか元気がない。

