――――“ドドーンッ”
あと何回、こうして隣で花火を見れるだろう。
「竜」
真面目な声なんか出して、俺の名前を呼ぶから。
座ったままの俺の顔を、真っ直ぐに見るから。
なにを言い出すのかと思ったら、
「ヤキソバ!」
???
ヤキソバ…。
俺に向かって、花火の音に負けないようにそう叫んだ。
「…食べたいのか?」
「そう!食べるの!」
「花火は?」
「もう十分だから、行こ!」
そう言って、1人で歩いていってしまう麗奈。
なんというか、そう、あれだ。
いつもの気まぐれだ。
「りゅーう!何してんの、食べたいんでしょー?」
食べたいのは、自分じゃなくて?
「……え」

