――――“ドーン”



麗奈はようやく、こちらを見る。



大きいはずの花火の音が、なぜか遠くの方で聞こえた気がした。



「えー?」

「お前はいつまで好きでいるんだよ」



――――“ドンドーンッ”



いつまで叶わない恋を、続ける気だよ。



いつまで追いつかない相手を、追いかけ続ける気だよ。



なぁ、いつまで?



…麗奈じゃない。



麗奈のことじゃない。



いつまでもズルズルしてるのは、間違いなくこの俺だ。



「あたし、いつまで好きでいなきゃなんないのかなぁ?」



そう呟いた麗奈の横顔は、今にも泣きそうに見えた。



簡単に好きじゃなくなれるなら、とっくにそうしてる。