「みんなちゃんと、楽しんでんのかなー?」
熱々のタコ焼きに、自分の息を吹き掛けるのをいったん止めて、麗奈は少し離れた人込みを見つめた。
麗奈の言うみんなとは、ワンや鮎沢、郁也や大河のことだと思う。
「…いいのか?」
隣でタコ焼きを頬張る麗奈に、俺は問う。
「え?」
「純平と来たかったんだろ?」
俺がそう言うと、麗奈は驚いた様子も見せず、
「なんで?」
と1言。
なんでと言われても、俺は返事に困るのだが。
黙ったままでいる俺を見つめ、麗奈はクスクスと笑った。
「今日は、竜と一緒に来れるのを楽しみにしてたんだもん」
………。
――――“ドーンッ”
あ。

