保健室には、純ちゃんと2人きり。
「マコ、お前さぁ」
静かな保健室に、声が響く。
「鮎沢はやめとけよ」
いきなり真剣な顔で、そう言う純ちゃん。
「…なんでさ?」
「別に?理由はねーよ」
純ちゃんがこう言う時は、だいたい理由がある。
いつからの付き合いだと思ってんだよ。
「純ちゃんは、鮎沢さんのこと好きなのかよ」
オレがそう言うと、純ちゃんは一瞬だけ目を見開いた。
だけどすぐに、いつものニヤニヤした顔で、
「さーな。だったらどうするよ?」
って逆にたずねてきた。
もし、純ちゃんが彼女を好きだったら?
だとしてもオレは…
「そんなの、カンケーねーよっ」
そう思う。

