「別に笑ってないだろ」
本当は分かってた。
この動悸の正体も。
――――“ドンドーン”
素直にものが言えなくなる理由も。
「そう言いながら、顔が笑ってんだけど」
俺は全部気付いてる。
分かってないのは、お前だけ。
今すぐどうこうなんて、思ってない。
――――“ドーンドーン”
「あ、俺1匹目ゲット!」
「えっ、嘘だろ?!」
「まぁ慌てなくても、俺が勝つから」
「お前には負けない!」
今はただ、夜空に打ち上がる大きな花火を、一緒に見上げれたらと思うだけ。
俺はお前の鈍さに、とことん付き合うつもりでいるから。

