この2人はすくなくとも、茜と郁也よりはましなのだけれど。
「なんか今日、みんなケンカするんだな」
ワンが2人を見つめながら呟いた。
ケンカしてる姿は、ワンにはどう見えているのか。
まさか本気で仲が悪いとは、さすがに思ってないよね。
いや、思ってないといいな…。(←自信はない)
「じゃ、あたし達いくね」
「あ!はい!また!」
安藤と菜摘ちゃんの凸凹コンビとわかれ、あたしとワンは再び人込みを歩き出す。
来た時よりも、さらに人が増えたように思う。
あたりも完全に暗くなったし。
気を抜けば、ワンを見失いそうだ。
もう、まともに前になんて進めないほどだった。

