あーあ。
声かけちゃった。
「うわ、ワン君に稀衣じゃん!」
浴衣姿の郁也が、射的の銃を持ったまま振り返る。
茜も浴衣を着ていて、いつもの男らしさはなく。
むしろ、もともとの顔立ちがいいのでキレイだ。
「なんで2人だけ?」
麗奈と高城も一緒のはずなのに。
「あれ、そーいえばいない」
「は!?なんで気付かないわけ?!」
えぇ?!
「郁也が、射的勝負しよって言ったからだろ!?」
「俺んせいにするなよ!」
ちょ、ちょっと…!
「なんか大河と郁也、そーしてると恋人みたいじゃん」
わ、ワン…!!
「………」
「………」
ワンの一言に、2人とも固まってしまった。

