なんか今日のあたし達って、いつもよりカップルらしい。(←普段が悲惨)
邪魔者(主に佐倉、麗奈あたり)もいなければ、ペットと飼い主扱いされることもない。
なんて考えてた矢先のこと。
射的の前を通り掛かったあたしの耳に、聞き覚えのある声が届いた。
「ちょっと、身乗り出しすぎじゃねーの?」
「細かいこといちいち、うるっさいな。姑かって!」
「全然細かくないだろ!お前だっていつもケチケチして、主婦みたいじゃん」
「な…なんで知ってんだよ!?(あたしがそう呼ばれてること)」
「えぇ?!(主婦なのかよ!?)」
スルーすべきか少々迷ったけど、ワンにその選択肢はなかった。
「あ、大河と郁也じゃん!」

