ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~

【junpei※side】



あの時俺は、一部始終を見ていた。



…と言うよりは、一部始終の一部である(?)



鮎沢ちゃんが、息を切らして帰ってきた時。



正直、驚きを隠せなかった。



「きゃ…?!」



短い悲鳴が聞こえて振り返ると、鮎沢ちゃんがグラッと倒れた。



「やべ、リンゴ…!」



俺は咄嗟にリンゴに飛びついた。



「おぉ、純平ナイス!」

「バカ!んなのんきな事言ってる場合?!」



……が。



そのまま爪先がバランスを崩し。



リンゴはより勢いを増し、ステージの方へと飛んでいった。



そして真っ赤なリンゴは、マコのオデコに直撃。



狙ったつもりは、微塵もない。