そんなこんなで、来週もあっという間に今日になり。
夏祭り当日。
「よし出来た!」
あたしはワンの家にいた。
「稀衣ちゃーん、出来た?」
多分悪気はないだろうワンが、ノックなしで部屋に入ってきた。
「うわ、すごっ…」
“―――ボカッ”
「痛っ?!」
「彼女が着替えてる最中に、ノックもなしで入ってくるんじゃない!」
着替え終わってはいたけれど、ワン母はワンを注意する。
今日は、美容師だったワン母に、浴衣を着付けてもらっていた。
「こーんな綺麗な子が、このおバカでいいの?」
「おバカ?!」
「アンタは黙ってな」
ワン母は若々しくて、あたしの想像とは少し違っていた。

