だけどその顔は、とても幸せそうだ。
「ほら、マナブも」
「お兄ちゃん、ありがとう!」
ニッコリと笑うマナブ君を見る限り、たいした怪我もなかったみたいだ。
「どーいたしまして!」
マナブ君の目線に合わせてしゃがむワン。
「無事でよかったデス」
「あなたも、無事でよかったわ」
笑顔で交わされる言葉たち。
ワンが飛び込んだから、今こうして笑い合えてる。
それがどんなにすごいことか。
「おれっ、大きくなったら、お兄ちゃんみたいにカッコよくなるんだ!」
「そっか!」
「うん!」
「じゃ、カッコよくなって、お母さん守ってあげんだゾ!」

