「あーもうっ!ワンが悪いのよ!」
ええぇ?!
やっぱりオレのせい?!
「後先考えずに海なんか飛び込んで…っ」
え…?
「どれだけ、心配したと思ってるのっ」
そんなことで、泣いてるの?
服も着替えず、心配してくれてたの?
「ワンがいなくなったら、どーしようって思っ…」
弱さをあまり見せない彼女が、オレの前でこんなにも泣いてる。
こんなこと、不謹慎かもしれないけどさ。
どうしよう、可愛い。
だから、たまらなく抱きしめたくなって。
上半身裸だってことも忘れて、稀衣ちゃんの手首を掴み、自分の方へ引き寄せてしまった。
「泣かないで」
彼女の背中をポンポンと、小さい子をあやすみたいに撫でた。

