「あ、そうだそうだ。お礼にコレあげるよ」 オジサンは手に持っていたビニール袋をゴソゴソと探る。 そして何か掴むと、オレに渡してきた。 「…カンロアメ?」 「うん、カンロ飴。娘が好きでね、よく買いに行くんだ」 「カンロアメ、食べたことない」 「君にあげるよ。ノートのお礼」 「いーの?!」 「うん」 「オジサンありがと!」 ノートより嬉しいや。 早く帰って純ちゃんに自慢してやろ。 …それにしても。 「いい人だな、あの人」