んーでもやっぱ、
「オレはいいデス!すぐにいるわけじゃないから」
差し出されたノートを、その人の方へ押し返した。
本当は明日英語があるけど。
他の店に行けばいーや。
「君はいいの?」
「ウン。オレもしここで買ったら、オジサンの事が気になりそうなんだ」
「え?」
「あの人あの後ノート買えたのかな、とか。あのノートが買えなかったせいで、あの人の人生狂わないかな、とか」
「あぁ、なるほどね」
気になって気になって、このノート使えなくなるじゃん。
人1人の人生を狂わせたかと思うと、英語どころじゃない。
「だからどーぞ」
「アハハ、じゃ、お言葉に甘えようかな」
「ハイ」
押し返したノートを、オジサンは笑顔で受けとった。

