ワンのくせに!!!
あたしの反応を面白がってる。
「ヤラシくない!もー帰るよ」
熱くなった顔を隠すように、あたしは速足で歩き出す。
ワンもあたしの横に再び並んだ。
「…でもさ」
おとなしい声なんか出して、次はなんなの。
「オレは男だから、ヤラシーと思う」
「は?」
「だから、いつでもオレは稀衣ちゃんに、ヤラシーことしたいって事!」
————“グイっ”
そう言った後、ワンはあたしの手首を掴んだ。
?!
「ちょ…ワン!」
力が、強い。
あたしなんかよりも、ずっとずっと強い。
腕の太さも、手の大きさも、そこまで変わらないのに。
「…やっぱり、稀衣ちゃんは無防備だ」
「え、なに?」
「んーん、なんでも!」
「はぁ…?」
掴まれていた手は離され、ワンはいつもの笑顔。