そして、あたしとクラスメートの壁は壊されない(むしろ高くなった)まま、文化祭当日を迎えた。
「おい竜!お前王子役なんだから、さっさと着替えろ」
「分かってる」
「竜!本番台詞とばしたら許さないからね!」
「お前こそ姫なんだから、へまするなよ」
「なーによ!」
「おい麗奈、そろそろ準備しろよ」
「あ、うん!」
本番に向けて、みんな慌ただしく準備をしている。
結局佐倉が、王子役は竜こと高城竜二(たかぎりゅうじ)に、白雪姫役は麗奈に勝手に決めた。
そしてもうすぐ1‐1の白雪姫は開幕する。
「鮎沢さん!そこのリンゴとって!」
「え?あぁ…」
ってリンゴ、本物?!

