熱い。
唇が熱い。
「……っ…」
ワンが、熱い…?
「稀衣ちゃん、今日ヤラシー」
や、やら…?!
「ヤラシーとかゆーな!!」
ワンのせいじゃん。
変に緊張するのも。
長いキスも。
“―――ドサッ”
!?!?
「ちょっと、ワン?!」
すっかり油断していたあたしは、簡単にワンに押し倒された。
「ねぇ、ワンってば!」
「………」
だけど、あたしの上に覆い被さっているワンからの反応はない。
それに…
「熱…?!」
ワンの身体から伝わる体温が熱い。
あたしはすぐにワンの下から抜け出して、おでこに手を当てる。
…やっぱり。

