「さっき下駄箱見たらまだ靴あったから、まだ学校にいるって!」
「あたし今日こそ写真撮ってもらう!!」
「あたしだって、握手してもらうから!」
バタバタという騒がしい足音と共に、聞こえてきた女子生徒たちの声。
なんか、嫌な予感。
せっかくワンと2人きりなのに。
「稀衣ちゃ…」
「あ、いた!鮎沢先輩!」
ビッ…
「ワン先輩もいるよ!」
「ツーショット撮らせて下さい!!」
…クリした。
「あ、あの今は…」
“―――グイっ”
?!
適当に断ろうとしたあたしの腕をワンが掴み、走り出した。
「稀衣ちゃんオレのだから、撮影禁止!!」
ワン…?!

