ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~

【kie※side】



「…はぁ~~~~」



頬の筋肉が引き攣りそうだ。



大きなため息を吐き出しながら、あたしは机に突っ伏せた。



「大人気だね~鮎沢先輩♪」



1つ前の席に座っていた麗奈が、直ぐさま振り返った。



「…やめてよ」



写真の撮りすぎで、顔がどうにかなりそうだ。



「なかなかしぶといね、鮎沢ファンクラブも」

「そーみたい」



こっちは本気で疲れてきているというのに。



廊下でも食堂でも、気が付けば包囲される。



おかげで、しばらくは教室で昼食をとることとなり、ワンとも帰り以外会っていない。



「さっさと飽きてくれないかな」

「ワンに会えないもんね?」

「は?!」



思わず動揺するあたしを、麗奈は勝ち誇ったように見下ろした。