ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~

【makoto※side】



靴箱に座り込んでいるオレに、上から声がかけられた。



「ゴメン、遅くなって」



オレは顔をあげ、声の主を見る前から、顔が緩んでいたと思う。



「んーん!」



だけどその笑顔は、顔を上げた瞬間に消えた。



「横井先輩、俺も一緒に帰ります」



稀衣ちゃんの後ろには、



「あ…お昼の?」



今日食堂で、稀衣ちゃんと写真を撮っていた1年生がいた。



名前、なんだっけな。



「安藤です」

「あぁ、アンドーね」



微妙な空気の中、なぜだか一緒に帰ることになってる。



稀衣ちゃんと2人で帰るために待ってたのに。



オレ今、すっげー損した気分だ。