―――翌日。
「稀ー衣ちゃん」
放課後、いつものようにワンがあたしを教室まで迎えにくる。
そのせいで、今ではあたしのクラスでワンは有名人。
「今日は終礼のチャイムから45秒22!」
「あ゙~!またはずしたっ!」
「どんぴしゃいるかー?」
「いねーだろ、今日は早すぎ」
佐倉を中心に、男子たちはワンがくるまでの時間を賭けてる始末(汗)
ほんと、いい暇つぶしカップルだよ。
「ゴメン、ワン。今日委員会だから先帰ってて」
今年になって最初の委員会。
入るつもりなんて更々無かったけど、くじで決まってしまったものは仕方ない。
「んーん、待ってる」
「遅くなるかもよ?」
「ウン」
「分かった、じゃ後でね」
待つと言ってくれたワンに背を向けて、あたしは委員会の行われる教室へと向かう。

