2月の空気は、凍えるほど冷たくて。



あたしの体を容赦なく冷やしていく。



それでも君がいると温かい。



あたしのための君で。



君のためのあたしでありたくて。



必死に手を伸ばす。



触れてなきゃ不安で、近付かなきゃわかんなくて。



君の温かさを抱きしめる。



君との未来を、つい信じたくて。



「送ってくれてありがとう」

「んーん、じゃ!」

「うん、気をつけて」



手を振るワンの背中をしばらく見つめた。



走っていく後ろ姿が。



離れていく君が。



あまりにもリアルに感じられたから。



けど少しして、ピタリとワンは立ち止まった。



???