「ちょっと、ワン、待ってってば…!!」
“―――ゴチンッ”
「痛…っ?!」
オデコに軽く痛みを感じながら、固く閉じた目を開くと、ニヒヒと笑う無邪気なワン。
(恥)(赤)(恥)!!!
やられた!
「チューすると思った?」
なんて、笑顔で聞いてくる。
「もー知らないっ!バカじゃないの?!」
クルリと背を向けて、あたしは歩き出す。
恥ずかしすぎる…!
ワンにやられるとか、油断してた。
「稀衣ちゃん!」
…………。
「稀ー衣ちゃん!」
んもう、
「なに…っんぅ…?!」
振り返った瞬間、今度は本当にワンがあたしにキスをした。

