「図書委員長、どーいうつもり?」
倒れ込む図書委員長の山田に、手を差し延べながらオレは言った。
「と…跳び蹴りとは、さすが横井君だな」
横腹をおさえながら、オレの手を掴み痛そうに起き上がる。
ちょっと焦ってやりすぎたかな。
「ストーカーしてたのお前だろっ」
「す、ストーカーなんて言わないでくれよ」
眼鏡の奥の瞳を震わせてる図書委員長の額には、2月なのにジワリと汗が見える。
「ぼ、僕はただ、鮎沢さんをモデルに漫画を描こうと思って」
「ま、漫画?!」
「そうさ、僕は漫画研究部だからね」
稀衣ちゃんが漫画のモデル?!

