その寒い廊下を歩いて、昨日と同じ温泉へ向かった。
夕飯までは少し時間があるし、十分に間に合う。
ワンとは、今は正直話したくない。
何を言っていいか分からないし。
ワンも、昨日のことをどう思ってるか分からない。
このままの曖昧なままがダメなのは分かってる。
だけど、あたしはどうすればいいのか。
数学の問題のように、理屈がある訳じゃないし、公式もなければ方程式でもない。
数学の方が、どれほど簡単か。
君のことになると、あたしは分からないことだらけなんだ。
「そうそう、まこと君がね~」
脱衣所から聞こえた声に、ハッとする。
まこと君…?
ワン?

