表情を変えたりなんてしたら、気持ちが溢れてきそうで。
今は、こうするしかない。
「オレなら、大丈夫だよ?」
不思議そうにあたしの顔を見るワンに、目を逸らしたまま小さく首を横に振った。
「…あたし、今日疲れたから寝るね。おやすみ」
一方的に話しを切り、立ち上がった。
そのままワンの顔を見ずに、部屋まで戻る。
ワンは悪くない。
悪いのは、小さなことを気にして、素直になれないあたしだ。
悪いことをしたのも分かってる。
ワンを困らせたのも分かってる。
だけど、今は一緒にいたくない。
あたしがどんな態度をとるか、怖いから。
君を傷つけそうで、怖いから。

