さすが大学生、しっかりしてるよね。(←嫌味)
どうしよう。
待たせてるし、行った方がいいのは分かってる。
あたしは、ワンにどんな態度をとるだろう。
分からないぶん、怖い。
それでも決意を固め、一歩踏み出す。
「…遅くなってごめん」
静かに近付くと、ワンはゆっくりと顔を上げて小さく笑う。
「んーん」
あたしはワンの隣に座った。
何を話せばいいのか。
そんなことを考える。
でも先に口を開いたのは、ワンの方だった。
「髪、乾いてないね」
そう言ってあたしの髪に視線を移す。
「あ…」
急いでたから。
今思えば、全部乾かしてから部屋を出ればよかった。

