「なーマコ」
「なに?」
「お前さ、鮎沢ちゃんとはどこまでいってんの?」
「ぶっ!!!」
ど、どこまで?!
「な、なんの話しだよ急に!」
「いやいや、犬と人間って遺伝子違うから、愛し合えるのかなってさ~」
「誰が犬だよ?!」
純ちゃんは、昔からそうだ。
出会って数日後には、もうオレの事を犬扱いしていた記憶がよみがえる。
「どーせまだキス止まりだろ?」
「そ、そうだけど…っ」
「いつまでも童貞じゃいかんだろ」
「うるせー!」
純ちゃんの声を振り払うように、オレは水の中に頭まで潜った。
その先を、望んでいないと言えば嘘になるのかもしれないけど。
今はいいんだ。

