「お前今“もうこんなとこ出たい!”って思ったっしょ。」 何でわかんのさ。 なんか怖くなってきたよ。 もう本当出たい。 奏はゆっくり立ち上がり、私にずいずい近づいてくる。 ちょ、近いよ。 息かかってるから! その距離わずか3センチ。 そして耳元でこう言った。 「俺等から逃げられるかな?お姫様。」 ふっと耳に息をかけられ、すっとんきょうな声を出してしまった。 「ひゃっ…!」 「なんだ、可愛いとこあるじゃん。」 ペロッと舌を出してはにかむ奏はまるで小悪魔… いや、 悪魔だ。