「何?にやけて…。」


すると智子は体育館の入口を指差す。



「旦那様のお迎えよ。」


「だ、旦那様って!」

私は旦那様という言葉を聞いて顔が熱くなる。



「じゃっ、おつかれ。」


そう言うと智子は笑顔で体育館を出て行った。


"旦那様"か…。


私は首に巻いてたタオルを取って足早に体育館の入口に近寄る。


体育館から出ても"旦那様"の姿はない。


「あれ?宗いっ……きゃっ!」

名前を呼ぼうとしたとき、いきなり腕を引っ張られる。