???

「これで全部か?まだ居るかもしれん。徹底的に捜し出せ!」
 大黒パーキングでは臓器売買組織確保、つまりオデッサ狩りが、進められていた。


「あの金髪とアロハシャツの男は、まだ見つからんのか。あの二人が一番の功労者だと言うのに。」
 警官の一人が言った。

「目撃者の話では湾岸線方面に行ったらしいが…」
 傍らの警官が返す。

「しかし、このあざらしは、どうするんだ?科捜研にでも送るのか?」

「さあ?しかし忌々(いまいま)しい奴だぜ。こいつのせいで俺は、始末書だの銃弾紛失記録だの書かなきゃいけなくなった。くそが。」
 ガッツ。警官は苛立ち(いらだち)を込めてジークレを蹴りあげる。

「おいおい、山田。余り傷付けるなよ。解剖にかけるんだから。」

「ああ分かってるよ。」

「おっ!応援の連中来たようだな。」
 言って二人は、パーキングの出口を眺める。


 バスッ!鈍い音がした。


「ん?何の音だ!聞こえたか?…」
 山田は言って、隣に視線を向けた。

「!」

 もう一人の警官が立っていた。…が、首から上が吹き飛ばされている!


 山田は喉がカラカラになり、後ろを振り返る。

「ハァハァハァ…」
 その呼吸が浅くなる。

 ジークレの巨躯(きょく)が港の明かりをバックに佇んでいた。

 ズバッ!山田の呼吸が止まった!その胸に大きな風穴を穿(うが)たれて…