「京子待たせたな。」
貴ボンが何事も無かったように、何出弥焼肉祭り会場に現われた。
「何してたのよ。賞品は?」
京子は腕を組み仁王立ちで訊ねた。
「…勿論よ。ほら。」
貴ボンは京子に紙袋を渡す。
京子は中を覗いた。
「何よこれ!パッケージが汚くない?」
そして上目遣いで貴ボンを睨んだ。
「それはよう…宝物は、少しばかり年季が入ってなきゃ…ハクが付くじゃん。」
貴ボンは身振り手振りで言い訳する。
「まあ…時間が無いから仕方ないわね。じゃあ、私行くね。」
京子は渋々承知して、去って行った。
「京子お姉さま、怒ってらしたわね。大丈夫ですの?貴ボン先輩。」
紫織が貴ボンの元に近づいてきた。
「大丈夫だ、紫織。“人間万事最後が犬”だ。人生は当たって砕けろ犬の様にな、と言う事だな。」
貴ボンは己の人生観を紫織に語って聞かせた。
「…もしや、それは“人間万事塞翁が馬”では?人の人生など良いように転ぶか悪いように転ぶかなど分からないと言う意味の。」
紫織が正す。
「……そうか、お前はそう習ったか。い…一年前までは違ったんだよ。時代って奴だな。」
貴ボンは、はにかみながら大嘘を付いた。
「…それはそうと、何かおかしな匂いがいたしませんか?」
紫織が貴ボンに訊ねる。
「あん?…本当だ。何の匂いだ?」
貴ボンが何事も無かったように、何出弥焼肉祭り会場に現われた。
「何してたのよ。賞品は?」
京子は腕を組み仁王立ちで訊ねた。
「…勿論よ。ほら。」
貴ボンは京子に紙袋を渡す。
京子は中を覗いた。
「何よこれ!パッケージが汚くない?」
そして上目遣いで貴ボンを睨んだ。
「それはよう…宝物は、少しばかり年季が入ってなきゃ…ハクが付くじゃん。」
貴ボンは身振り手振りで言い訳する。
「まあ…時間が無いから仕方ないわね。じゃあ、私行くね。」
京子は渋々承知して、去って行った。
「京子お姉さま、怒ってらしたわね。大丈夫ですの?貴ボン先輩。」
紫織が貴ボンの元に近づいてきた。
「大丈夫だ、紫織。“人間万事最後が犬”だ。人生は当たって砕けろ犬の様にな、と言う事だな。」
貴ボンは己の人生観を紫織に語って聞かせた。
「…もしや、それは“人間万事塞翁が馬”では?人の人生など良いように転ぶか悪いように転ぶかなど分からないと言う意味の。」
紫織が正す。
「……そうか、お前はそう習ったか。い…一年前までは違ったんだよ。時代って奴だな。」
貴ボンは、はにかみながら大嘘を付いた。
「…それはそうと、何かおかしな匂いがいたしませんか?」
紫織が貴ボンに訊ねる。
「あん?…本当だ。何の匂いだ?」


