???

「君、君。お手柄だったね。話を聞かせてくれないか。」
 警官がヨッタの元に近づいてきた。

「い…いや、俺は…」
 その警官の職務質問(しょくしつ)を躱そう(かわそう)とするヨッタ。


 スタタタ。その時、ヨッタ目がけて一人の男が走り寄った。

「…!」
 衝かさず男は右ストレートを放ってくる。咄嗟にガードの姿勢で迎えるヨッタ!

 バギッ!その攻撃を押さえきれず、後方に倒れこんだ!

「な…なんだよ。どうして?」
 信じられず前を見据えるヨッタ。

「凄いね、“ぼうや”。あの化け物倒すなんて。」
 それは、あのアロハを羽織った男だった。

「お前も、あいつ等の仲間か!」
 ヨッタは後方に飛び起き、戦闘態勢を取る。

「ははは…まさか、訳あってお前を倒さなきゃならないんだ。すまねぇが倒させて貰うぞ。」
 アロハがスッと腰を落とす。

「あっ!“金髪さん”に誰か絡んでるぞ。」
 その様子に気付いたオデッサの一員が言った。

「金髪を助けろ!」
 オデッサの面々がアロハを囲む。

「なんだよ。このおっちやん、すげー弱そうな奴じゃん。俺が軽く揉んでやるよ。」
 一人の男がアロハ目がけて右ストレートを放つ。
 だかアロハは訳なくそれをミリ単位で躱し(かわ)た。そして男の額に拳を構える。


 ズバーン!それはデコピンだった。男の体が後方に三メートル程吹き飛ぶ、そして泡を吹いて気絶した。

「あ…悪いな。手加減したつもりなんだが。」
 アロハは右手で頭を押さえ言った。

「く…こいつも強え。」
 たじろぐオデッサ達。

「今度は、何だ!」
 さっきと別の警官が、応援を受け五人で近づいて来た。

「お…お巡りさん。こいつが、喧嘩売ってくるんだよ。」
 オデッサの一員が警官に媚び(こび)る。

「…そうか。君、名前は?」
 警官はアロハを訝しげに見つめ職質をかけた。