???

「うわっ!」
 ヨッタが叫ぶ。

 ジークレの握り締める手のひらが、ヨッタの胸元を完全に包み込んだ。
「息が苦しい。」
 激しく藻掻く(もがく)ヨッタ。

「早く脱出するんだ。」
 ポゴが耳元で囁く。

「わ…分かってるよ。」
 ヨッタは答えて、自分の両腕をジークレの手の内に潜り込ませた。

「うおーっ!」
 そして両腕に力を籠め、左右に開きだす。

 メキメキ。ジークレの手が、少しづつ開き始めた!

「ウソ」
 信じられずヨッタを見据えるジークレ。

「よっしゃあーいける!」
 開ききったジークレの手から、ヨッタが抜け出した!

 そして、思い切り高くジャンプする。

 そのヨッタの行動の早さに付いて行けないジークレ。

「ドコイル?」
 必死にヨッタの姿を探す。

 ヒユー。上方より微かな音がする。空を見上げた。

 上空にヨッタの姿が確認された。だが時既に遅し。豆粒大だったヨッタの大きさが、見る見る大きくなってくる!

 ドガーッ!ヨッタのキックがジークレの脳みそを激しく揺さ振った!


 ドスーン!そしてジークレの巨体が地面に屈伏(くっぷ)した!