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『何なんだよ、こいつ等。盛り上がったり、盛り下がったり…どうでもいいが、臭えなこいつ等。』アロハは居並ぶオデッサの面々を眺め思った。


『悪かったな貴ボンじゃ無くて。』ヨッタはその声に聞き耳をたてる事無く、ジークレを睨む。

「オモチャ!」
 ジークレが突進して来た!

「臍下丹田(せいかたんでん)に力を籠めて!」
 叫ぶヨッタ。

 バシッ!ジークレの太い腕がヨッタの頭目がけ振り落とされた!

 ヨッタはそれを左腕で受け止める!

「ナンデ?」
 ジークレは首を傾げる。
 ヨッタはクルッと回転し、右キックをジークレの脇腹に叩き込んだ!

「グワアー!」
 ジークレは口元から唾液を滴らせよろめいた。

「す…凄え!もしかしたら、やれるんじゃねえ?」
 オデッサの一員が言った。

「ああ。あいつ強いよ。やっちめえ!」

 ヨッタの活躍に、周りは再び歓喜の声で溢れる。

『あいつがそうか。やるねえ。』アロハはヨッタを見据える。

「グジャー!」
 ジークレはよろめきながらもヨッタに向かって右手をつきだしてきた!
 ガシッ!ヨッタの体が、その大きな手に包まれた。そして更に左手も合わせ、両手で握り締める。

『脇が、あめぇよ。しっかりしろ、ヨッタ。』人垣の後方でごんぞがヨッタの戦いぶりを観戦していた。