過去、日本の明治時代以来の金銭感覚にジャスは付いていけなかった。

 銀髪鬼・正義王(ジャスティ)・最強天使・彼に付けられた渾名(あだな)は数あれど、全銀河にとどろく彼の最強の異名は、“金銭感覚0のジャス”だった。


「なめてんのか阿呆!たかだか珈琲にこんなするか!」
 ジャスが叫ぶ。

『引っ掛かったでちゅ。』キャミーがヘヘヘとほくそ笑んだ。

「ジャスしゃんには、バイトしてほちいでちゅ。」

「何?バイトだと。」

「まさか飲み逃げちないでちゅよね?」

「くっ!この俺がそんな事する訳が…」
 返す言葉の出ないジャス

「簡単な仕事でちゅよ。ある人物を倒してほちいんでちゅ。」
 キャミーの目がランランと光る

「そんな事出来る訳が無いだろう。」
 ジャスは納得出来ずキャミーに言い寄る

「ぎゃー!やめるでしゅ。嫌ならお金払うでちゅ!」
 キャミーは慌てて叫ぶ

「金って…一生かかっても払える訳が…くっ、分かった。だが一度だけだぞ。」
 渋々承知するジャス

「そうと決まれば。“ジークレ”出てくるでちゅ!」
 キャミーが奥の部屋に向かって叫んだ

 ドスッドスッ。足音と共に大型のザーラ星人が現れた

「ナンダ。」
 ザーラ星人が喋った。

 このジークレと呼ばれたザーラ星人、こいつもレア種だ。戦闘能力の無い、オリジナル種は自分の身を守らせる為、最初にレア種を分裂するのだ。

 このジークレ、小型のザーラ星人の、倍近い巨漢をほこっていた。しかも片言の言葉を発する事が出来た。



「作戦は簡単でちゅ。まずはこのジークレを使って…」
 キャミーが作戦の全容を話出した。



 この時、大銀河連邦のスーパーヒーロー・ジャスは大銀河テロリスト・トラトラトラの手中に落ちたのだ!