今更だが、我々の住む地球以外に知的生命体は居るのだろうか。

 この太陽系だけでも、知的生命体とはいかないが、生物のいる…もしくはいた…可能性のある星がある。

 火星と、土星の衛星タイタンとうだ。

 ならばこの無限に広がる大宇宙、どこかに知的生命体がいるのでは…

 宇宙へのロマンは、尽きない。




 その宇宙の彼方で、あの男がまだ彷徨(さまよ)っていた。

「ね…燃料が空だ…」

 ウイン、ウイン…一艦の飛行物体が彼の元に近づいた。

「どうしたんです?」
 飛行物体から、船内放送が放たれる。

「道に迷って…それに燃料も空に…」
 男が言った。

「おやおや、それはお困りで。あれ…貴方の、顔には見覚えが、…この船は、地球に、進路を取っているのですが、それでも良ければ乗せて行きますよ。」
 船内放送が言った。

「地球か、百五十年ぶりだな。…よいかな乗せて貰っても。」
 懐かしそうな、目をして男が答える。額に構えるゴーグルが光る。

「思い出しましたよ。貴方の事、“ジャス”さんじゃないですか。“銀河三十三天”の。」

「ははは、分かっちまうか。」
 ジャスが言った。


 三十三天とは銀河連邦に“現在いる”三十三人のスーパーヒーローの総称の事だ。

「そりゃあ、スーパーヒーローだもの、有名人じゃないですか。」 

 宇宙船がその門戸(もんこ)を開いた。

 …“きのこの様な頭”の宇宙人が、招き入れた。

「すまねぇな。この恩は、必ず返すから。」
ジャスが言った。

「ははは、本当ですか?期待してますよ。」
 宇宙人が言った。


 そしてジャスはZ2を引いて船内に乗り込んだ。



 やがて、宇宙船は地球へと進路を取った。