「うわっ!すげぇ俺初めて見たぜ」

 高台に着いたヨッタの目の前に大きな物体が立ち構える。

 UFOと思しきその物体は今にも飛び立とうとするが如く、縦横無尽にサーチライトがうごめく

「あれは、ザーラ星団の小型飛空艇だ。このまま、こいつ等と行動を共にして行けば母艦に戻る筈。ヨッタ、もう少しで敵のアジトだよ。」
 ポゴが囁く。ヨッタはゴクリと喉を鳴らした。




 一方こちらは月の裏側。地球からは見えない空間には、全長二〜三キロ程の巨大な、母艦と思しき船が浮かんでいた。

 重力を無視するかのようにドンと宇宙空間に佇(たた)む“お椀型”の巨体、鈍色(にぶいろ)に輝く正体不明の金属、至る所に並ぶまがまがしい砲門、それら超未来的な容姿は、地球壊滅を告げる象徴なのだろうか



 ウイーンウイーン。

 警告音が響く


「エネルギー充填完了。目標補正0.531%オールシーケンス!各搭乗員は、配置に着け!」

 発射口が開く、青白い光が漂う、やがてそれらは一紡ぎ(つむぎ)の光の線となる



 その光の線は緑の星へと伸びている!


「よち!発射ボタン押しまーちゅ!えいっ。」

 そのボタンを押した途端、光の線は見る見る太き光の柱となっていく。やがて視界が青白い光に包まれた。





 艦橋(ブリッチ)に据えられた巨大スクリーンに、ゲームオーバーの文字が刻まれた。


「くー!何ででちゅ、どうちてクリアー出来ないでちゅか!」
 一人?のザーラ星人がじたんだを踏む。その手には初代ファ〇コンのコントローラ、しかも四角ボタンが握られて?いた

 母艦の中は大勢のザーラ星人が働いていた。だがこのザーラ星人だけは、豪華な椅子に座り遊び惚(ほう)けている。