宇宙は永遠に広がっているのだろうか。

 最近の説によると宇宙は今でも広がり続けているそうだ。

 もしそれが、水滴のしたたる水道にくくり付けた風船、と同じ事だとしたら。いつか、弾けて無に帰する日がくるのだろうか…

 この疑問が解けるのはいつになるだろう。いや一生かかっても解ける事は無いかもしれない。



 その宇宙の彼方で、一台の飛行物体が驀進(ばくしん)していた。

 赤と白のツートンカラー。“Kawasaki”“Z2”(ゼッツー)!?
 Z2を駆るは、銀髪に逆立ったもみあげ、太い眉毛の、端正(たんせい)な顔つきの男だった。

「……」
 男は何か考えているらしい。

「…ここはどこだ?」


 …宇宙の彼方で一台の飛行物体が迷子になっていた。