???

 ウイーン。アスラの開閉口が開いた。

 そこからセフィーロが飛び出してきた。続いてジャスも姿を現わす。

「さらばです!」
 シメジの運転するセフィーロは、うっすらと色褪(いろあ)せる東の空に消えていった。

「さてと、巧くいくかな…」
 ジャスが、持っている日本刀を鞘(さや)に沈めた。

「私が…中で操作…しよう。」
 声がした。

 振り返るジャス。

 ザイーテンだった。肩にデットーリーを担いでいる。

「よお、あんたか。色々災難だったな。」

「許すのか…私を…」

「ああ、当然だ。“もう一人の英雄(ヒーロー)”の許しを貰ったんだろ?なら俺がとやかく言う問題じゃあ無ぇだろ。」
 ジャスはザイーテンの目を見据える。

「そうか…そうだな…彼は…立派な英雄(ヒーロー)だ。」

「ははは、違い無ぇ。…偽物だけどな。」

「えっ?…何だって…」

「いや…何でも無え。…それより、操作出来るのか?アスラを。」

「ああ、動力(エンジン)は…生きているようだ…軌道に乗れば…」

「そうか、頼んだぞ。」

 ジャスが手前に右拳をかざす。ザイーテンも右拳をかざし、互いにぶつけた。


「では…行こうか。」
 そしてザイーテンは、アスラ内に身を進めて行った。