???

 辺りは、アスラの爆発で炎の固まりや破片が幾多となく降り注いでいた。


「京子、駄目だ逃げるぞ!」
 貴ボンは京子の腕を引っ張る。

 周りには、もう貴ボン達四人しかいなかった。他の人々は遠く離れた物陰から覗いているだけだ。

「でも、未だ私達の為に戦っている人達がいるんだよ!」
 京子は頭を振って、その手を振り解こうとする。

 しかし貴ボンは更に手に力を籠める。

「馬鹿だな、京子は。あいつ等が頑張っているからだろ!だからこそ俺達がつまらない怪我をしたら、あいつ等にすまないじゃあないか。」
 貴ボンが説き伏せる。

「だ…だよね。ごめんね。」
 貴ボンの思いが、京子に突き刺さった。

「さあ行こう。」

「行きましょう、京子お姉さま。」

 千秋と紫織も声を掛ける。

「うん、うん。」
 皆の気持ちを受け取って、京子は何度も頷いた。