???

「落ちるーっ!」
 ヨッタは未だ落下を続けていた。…ちなみにヨッタはカナヅチだ。

 スタッ。不意にその身が、救い拾われた。

「ザ…ザイーテン!」
 それはザイーテンだった。間髪、ヨッタの身を右手で受け止めたのだ。

「間に…あったようだ。」

「ありがとう。助かったよ。」
 礼を言うヨッタ。ふとザイーテンの左手を見た。

「デットーリー!」
 そして、愕然と言い放つ。デットーリーの身も抱えていたのだ。

 ザイーテンは海上に浮かぶ船を見つめた。

 その船はアスラの攻撃を受けて、うっすらと煙をあげている。人は居ないようだ。

「私は…こいつを連れて…パトロールに自首する。…それより、あれを…どうにかせんと…」
 ザイーテンは、船の甲板に、ヨッタの身を降ろし言った。

「あの船か…」
 ヨッタもヨロヨロと身をもたげ、アスラを見つめる。

「さっきデットーリーが言って…いた『全て滅びろ』と、何か細工したのだろう。…私があの戦艦を操って…宇宙空間まで持って…いこう。」



「か…舵が直らない!このまま落ちる!!」
 シメジは必死にアスラを操作する。体から滝のように汗が滴る。

「グ…。」
 後方ではトランクが、意識を失ったキャミーを抱き抱え震える。

「はあー。仕方ねえな。…お前等、船を降りろ。俺も降りる。」
 ジャスがサラリと言った。

「グアガ?」
 トランクとシメジが、ジャスを振り返る。

「俺が、この船を“投げ捨てる”。」

「しかし、その様な事が出来る訳…あっ!」
 シメジが言って、何かに気付いたように叫んだ。


「行くぞ。スーパーヒーローの力、見せてやる。」
 ジャスの顔から笑みが消えた!