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「ファファファ…全て滅びるがよい!」
 海上で、デットーリーが叫んだ。

 デットーリーは辛うじて生きていた。薬の効果が切れ元の姿に戻っている。

 どこまでも卑劣な男だった。自分の敗北を喫(きっ)した瞬間、アスラの主要装置を遠隔爆破したのだ。

「うがっ!」
 だが、そのデットーリーの顔色が青ざめた。

「もう…終わりだ…」
 ザイーテンだった。デットーリーの首を締め落したのだ。

「ヨッタ…」
 そして意を決し、宙に舞った。


「うわーっ船が落ちる!」
 アスラの上部には、未だヨッタの姿があった。

 既にただの人間に戻った彼にとって、逃げる術(すべ)はなかった。

 必死にしがみ付くヨッタ。が、思いも叶わずその手が離れた。



「あ、あいつ落ちたぞ!」
 貴ボンが叫んだ。

「どうして、飛ばないのです?」
 紫織が顔を両手で塞ぎ込む。

「ち…力が出ないのかも…」
 グッと見据える千秋。

「金髪マーーンー!」
 京子の悲痛な叫びが響いた。