流石のヨッタにも全てが理解出来た。ここは、宇宙だったのだ。



「ようやく理解したか。」

「ど…どう言う事だ!誘拐か?宇宙人がさらってって何かを埋め込むってやつ。」
 ヨッタは、恐怖に恐れおののく。

「待てよ、何もしねぇよ。少しは落ち着け。」

「本当に何もしない?」
 ヨッタはごんぞに媚びる(こびる)ような視線を向けた。

「しねぇ。落ち着いて貰わねぇと、話にならんからな。」

 ヨッタの恐怖心が少しとけた。しかし状況は理解出来ないでいた。

「壮大な話だが、落ち着いて聞けよ。まず俺の名は、“ゴドルウィン・ン・ゾルベーヌ”。まあ“ごんぞ”でいい、銀河連邦のスーパーヒーローだ。」

「銀河連邦?スーパヒーロー!?」
 確かに、壮大な話ではあったが、今までの展開から、さほど驚きはなかった。

「で、お前の名は?」

「俺の名前?皆は、ヨッタって呼んでる。」
 ヨッタは素っ気(そっけ)なく答える。

「…まあ、いい。よく聞けよヨッタ。まずこの宇宙には、幾多の星々が存在してる。その中には、この地球のように生命の育む星も数多くあるんだ。」

「そうなんだ!やっぱり宇宙人はいるんだ!」

 ヨッタは決して宇宙人肯定(こうてい)派では無かった。とは言え完全に否定もしてはいなかった。『絶対いる』と言う程大胆ではないし、『絶対いない』と言う程無知でも無かったたけだ。


「少しは理解力ある見てぇだな。で、その中でも高度な文明を有す108の星々が形成する議会を“マジェスタ”と言うんだ。そしてそれらが統べる(すべる)星々を銀河連邦と呼んでる。」

「銀河連邦?その中に地球は入ってるの?」

「ああ。こいつの存在を知る知らぬに関わらず、存在の確認された国家は、連邦に組み込まれているんだ。この星だって例外じゃ無い。」