「ここは?…私は…」
ザイーテンが辺りを見回す。こちらの方も落ち着きを取り戻しつつあった。
「送るよ。君の仲間の元へ。」
ヨッタは京子を抱えたまま、貴ボン達の元へ移動し始めた。
「ザイーテンさんはどうする気?あの人、本当は悪い人じゃない。」
「分かってる。全部聞いてる。」
ヨッタはグッと唇を噛み締めた。
「…やっと助けだしたか…まずまずだな。しかもドラゴニックヒーリングまで使うとは…」
次々と降り注ぐアスラの攻撃の中、ジャスが呟いた。
「ガルルルル!」
トランクの攻撃が続く。
「そろそろ、俺も本気を出すか。」
ジャスは首を振りストレッチ運動をした。
ジャスはアスラの攻撃を自分に集中させる為、わざと戦いを長引かせていたのだ。
バグッ!
トランクがジャスの右足に噛み付いた!
ゆっくりと視線を下げるジャス。
「グガガ…」
もてる力の全てを出して、食らい付くトランク。
ドバーン!
ジャスの蹴りが、トランクに叩き込まれた。
「グワーッ!」
トランクの体躯が吹き飛ぶ。
慌てて態勢を立て直し、ジャスの方を振り返った。だがそこにジャスの姿はない!


