「あいつ、何をしてるんだ…」
貴ボンは空に浮かぶヨッタと京子を心配そうに眺める。
「でも、あの青い龍の輝き…何だかあれを見ていると、心が癒(いや)される気がしますわ。」
紫織も両手を合わせ、祈るように見つめた。
「ドラゴニックヒーリング!癒しと解放の力を秘める、英雄(ヒーロー)の能力の一つ。…だが、あの能力を使えるのはスーパーヒーローの数人だけだ…まさか只の英雄(ヒーロー)のヨッタに使えるなんて…」
ごんぞが呟いた。
ヨッタはジッと京子の顔を見つめた。
その瞼(まぶた)がゆっくりと開かれた。
「良かった。気付いたんだ。」
ホッと息を吐くヨッタ。
「…私、舌を噛み切って…助かったんだ。」
呟く京子。
その噛み切った舌が、ドラゴニックヒーリングの威力で元に戻っていた。
「まったく、無理するなよ。」
「金髪マン!あなたが助けてくれたのね。ありがとう!」
京子は涙を流し、ヨッタに抱きついた。
「き…京子!」
慌てて顔を紅潮させるヨッタ。
「え?どうして、私の名前を…」
京子は不思議に思い、顔を上げる。
「あ、えっ?…あそこの“ハゲ”に、君の名前聞いたんだよ。」
顔を逸らすヨッタ。


